概要
2021年11月9日13時50分頃、千葉県富津市富津(ふっつ)から新富(しんとみ)にかけて(下洲漁港から北東方向)突風が発生し、住家の屋根瓦のめくれなどの被害があった。気象庁銚子地方気象台は、気象庁機動調査班(JMA-MOT)として派遣し、現地調査を実施。観測された突風の種類は「竜巻」の可能性が高く、その強さは風速約35m/sと推定され、日本版改良藤田スケールで、JEF0とした。
詳細
調査結果は以下のとおり。
(1)突風をもたらした現象の種類→この突風をもたらした現象は、竜巻の可能性が高いと判断
(根拠)
・突風発生時に活発な積乱雲が付近を通過中であった
・被害や痕跡は帯状に分布していた
・突風はごく短時間(1 分程度)であったという証言が複数得られた
・ゴーという音が移動したという証言が複数得られた
(2)突風の強さの評定
この突風の強さは、風速約 35m/s と推定され、日本版改良藤田スケールで JEF0 に該当する
(根拠)
・住家の屋根瓦のめくれ
・『令和 3 年 11 月 9 日に千葉県富津市で発生した突風について ~気象庁機動調査班による現地調査の報告~』(2021/11/10 銚子地方気象台)
被害状況
出典:富津市、報道等(2021/11/25現在)
人的被害
負傷者なし
住家被害
破損:40棟
・瓦のめくれや、屋根の一部破損等
※非住家被害:破損20棟
その他の被害
・陸揚げされていた漁船4隻が横転(下洲漁港)
・校舎出入り扉のガラスにもひび(市立富津小学校)
・自動車被害:11台
-飛んできた瓦屋根で車両3台が破損(富津岬郵便局の駐車場)
・墓石被害:20基
・その他工作物:7件
報道
千葉 富津の突風 “竜巻の可能性高い” 気象台が現地調査 #nhk_news https://t.co/9M5x10CZij
— NHKニュース (@nhk_news) November 10, 2021
・『富津の突風「竜巻」か 住宅や小学校など37棟で被害確認 現地調査実施』(千葉日報)
母屋の屋根瓦が吹き飛ぶ被害を受けた同市富津地区の自営業、Tさん(53)は、「雷と雨がすごかったが、突風は午後2時ごろに一回きり。こんなに被害が出ているとは思わなかった。業者に頼んで修理をしてもらう」と想定外の被害に驚いた様子
・『富津で竜巻発生、住宅31棟に被害』(2021/11/11 朝日新聞)
大乗寺では本堂の屋根瓦が飛び、墓石も多数倒壊した。夫が同寺副住職の飯田裕美さん(44)は「2年前の台風15号でも墓石は倒れなかった。参拝者にけががなくよかった」と話した
SNS
11月9日に富津市内で発生した、竜巻の可能性が高いとされる突風の被害。
トタン屋根の破損、墓石の転倒、屋根瓦・雨樋の被害、窓ガラス破損(異物が外壁に刺さる?)が見られました。
寒冷前線通過時には、大雨、雷、突風、雹(ひょう)に注意、雨戸、シャッター、カーテンは閉めておきたいです。 pic.twitter.com/EKHhSAOZyW— 地盤災害ドクター@横山芳春 (@jibansaigai) November 14, 2021
支援
市による支援
・『11月9日の突風により被害を受けた方への支援制度』(富津市)
支援金・見舞金
・災害見舞金及び災害弔慰金(日本赤十字社・社会福祉協議会・千葉県共同募金会)
・富津市災害見舞金及び災害弔慰金(富津市)
災害ごみの処理
家屋等が損壊したことにより発生した廃棄物を富津市環境センターで処理手数料を減免(無料)して受入れ
・『11月9日の突風により発生した廃棄物の処理』(富津市)
り災証明書・被災証明書
り災証明書・被災証明書は、市役所1階課税課で発行。
※り災証明書の様式は国の様式に変更されている
・『り災証明書・被災証明書の発行』(富津市)
報道
・『千葉・富津市で発生の突風「竜巻の可能性が高い」』(2021/11/10 ANN)
・『千葉 富津の屋根瓦が飛んだ突風被害 気象台が現地調査』(2021/11/10 NHK)
・『千葉・富津の突風、民家30棟超で被害』(2021/11/10 産経新聞)
・『屋根瓦飛ばされ船が陸に…富津市で突風被害』(2021/11/10 NNN)
・『千葉 富津市で突風か 住宅被害相次ぐ けが人なし』(2021/10/09 NHK)