20180518 秋田県など東北北部での豪雨災害(5/31 15:00更新)

※2018/05/31 15:00現在
5月18日、秋田県を中心に東北北部で記録的な大雨となりました。被害状況としては、各地で土砂崩れが発生。河川も雄物川などで氾濫し、岩手県一関市では増水した川の様子(所有の船)を見に行った男性が行方不明となっています。住家被害は、28日16時現在、秋田県で、全壊2棟(男鹿市)、床上浸水188棟、床下浸水438棟(秋田県総合防災課)となっています。浸水地域では水田等もあり、田畑の浸水面積は現時点で6000ヘクタールを超えていて、農業被害も大きくなっています。秋田県内、昨年の二度の豪雨災害もあり、この時期での災害時、不安の声も多く聞かれています。
支援活動については、秋田市で被害証明書の申請や支援制度の問合せ窓口の案内がでています。秋田市社会福祉協議会では、災害ボランティアセンターを21日に設置しています。その他、潟上市社会福祉協議会などでは、通常ボランティアセンターなどでの支援がつづけられています。

支援の動き

市町村(行政)

秋田市

被害証明書申請や支援等の窓口一覧などの情報は、こちら(秋田市)です。不用品無料買取などの悪質商法にも注意が呼びかけられています。

社会福祉協議会

秋田市社会福祉協議会

5月21日に災害ボランティアセンターを設置し、5/31現在、秋田県内外からボランティアを募集中です。その他の条件等、詳細はこちら(秋田市社協)をご参照ください。
※ボランティア活動保険(全社協)の大規模災害特例適用

潟上市社会福祉協議会

災害ボランティアセンターは設置せず、市社会福祉協議会ボランティアセンターの通常体制で支援予定。

秋田県社会福祉協議会

発災直後から県内の市町村社協と連携し、被災地の情報収集・連絡調整、情報発信を行っている。
・「平成30年5月18日からの大雨に伴う県内市町村社協の対応について【18:45更新】」(2018/05/21)

全国社会福祉協議会

秋田県社協を通じて情報収集、および情報発信をおこなっている。
・「秋田県大雨災害(第1報)」(2018/5/21)

気象概況

18日、前線に伴う活発な雨雲が東北北部にかかりつづけ、 1日で東北各地で5月(平年)の降水量1か月分を上回りました。 そのうち、秋田県では激しい雨となり、秋田市で18日18時までの24時間雨量が140.0ミリを記録(観測史上最高)しています。
<今後の見通し>
しばらく川が増水している状況は続き、地盤も緩んでいるため、気象庁・気象台は、20日の明け方にかけて、河川の増水や氾濫、土砂災害等に警戒するよう呼びかけています。大気の不安定な状態もしばらく続く見込みで、落雷や突風などにも注意が必要とのことです。

避難状況

【報道】
・「大館の自主避難108人施設に戻る」(2018/05/19 秋田魁新報)

秋田県大館市比内町扇田の特別養護老人ホーム「扇寿苑」に入所し、18日夜から近くの3施設に自主避難していた108人は19日午前8時半までに扇寿苑に戻った。同施設の千葉弘樹施設長(52)は「移動時に混乱はなかった。体調不良を訴える人もおらず、安堵(あんど)している」と話した

河川状況

・「大雨で雄物川が氾濫 大仙市と秋田市雄和」(秋田魁新報)

※用語について(木曽川上流河川事務所
洪水(こうずい):大雨や雪どけなどによって河川流量が普段より増大したり、氾濫すること。
氾濫(はんらん):河川などの水があふれ広がること。
溢水(いっすい)、越水(えっすい):川などの水があふれ出ること。堤防がないところでは「溢水」、堤防のあるところでは「越水」を使う。
※冠水エリア詳細については、秋田県の被害報16、20ページをご参照ください。

氾濫発生(国土交通省)

・雄物川
-2018/05/19 04:25 大仙市協和峰吉川付近と寺館付近の2カ所で雄物川が氾濫
「 職員が同3時ごろ河川の氾濫を確認した。田んぼが冠水しているが、住宅への被害は出ていないもよう」
-2018/05/19 06:25 秋田市雄和向野地区付近で雄物川が氾濫
「巡回中の職員が同6時ごろ、氾濫を確認した。周囲の水田が浸水しているが、住宅への被害は確認していない 」

※出展:湯沢河川国道事務所(秋田県被害報)

溢水発生(秋田県)

県管理河川:
・16河川(米代川、新城川、馬場目川、馬踏川、豊川、三種川、小又川、猿田川、太平川、芋川、淀川、後川、楢岡川、大沢川、土買川、入見内川)

冠水等の情報(報道)

・ 馬場目川(氾濫危険水位超):流域の水田が広範囲で冠水
・ 三種川(三種町):流域の田んぼや育苗用ハウスが一部で冠水
・ 保量川(男鹿市船川港船川):周囲の道路が冠水

被害状況

人的被害

行方不明:1名(岩手県一関市、川に所有する船の確認に行った男性(85歳))

住家被害

浸水被害(28日、16時現在、秋田県)
市町村名全壊半壊一部破損床上浸水床下浸水
北秋田市1
上小阿仁2
能代市7
三種町24
井川町415
秋田市142225
男鹿市22418
潟上市2244
五城目町1071
八郎潟町442
由利本荘1
大仙市8
横手市1
土砂崩れ等

秋田県内:63か所、けが人の報告なし (19日16時現在、市町村―NHK調べ)
・秋田県男鹿市脇本浦田で、住宅の裏山が崩れ(斜面が縦、横それぞれ15メートル)、土砂の一部が住宅に流れ込んだ(けが人なし)(NHK報道)
・秋田県男鹿市 脇本浦田で、住宅の裏山が崩れ(縦、横それぞれ30メートル )、土砂が住宅1階の居間に流れ込んだ(NHK報道)
【報道】
・「2年続けこんな目に 記録的大雨、一つ森で土砂崩れ【動画】」(2018/05/20 秋田魁新報)

 各地で土砂崩れも発生した。男鹿市脇本浦田の小玉浩二さん(69)方では18日午後1時半ごろ、裏山の土砂が床下から家の中に入り込み、親類宅へ家族で避難。19日に自宅へ戻ると、家の基礎がずれていた。「こんな被害は初めて。自宅にはもう住めない。先のことを考えると言葉がない」と話した。

農林水産関係被害(21日15時現在 秋田県)

被害額

・約1億6千万円(林地・林道施設のみ、他調査中)

被害内容

・ほ場(田畑)の冠水・浸水等:4,017ヘクタール(水稲、えだまめ、花き等、作付状況は確認中)
・畜産施設の浸水等:6棟
・養殖施設の浸水:1か所
・林地の崩壊等:12か所

【報道】
・「2年続けこんな目に 記録的大雨、一つ森で土砂崩れ【動画】」(2018/05/20 秋田魁新報)

大仙市協和峰吉川と寺館の両地区では午前3時ごろ、巡回中の国土交通省湯沢河川国道事務所の職員が氾濫を確認した。協和峰吉川では田畑が広い範囲で茶色い水に覆われた。農業村松徹さん(58)方では、ビニールハウス4棟全てが浸水。「トマトやキュウリを植える準備をしていた。全てやり直しだ。水路も直したばかりなのに」
 協和峰吉川のコメ農家でつくる「峰吉川ライスセンター利用組合」では、苗を保管するハウスや田んぼが冠水した。組合長の武藤多喜雄さん(70)は「苗の品種の区別がつかなくなってしまった。代かきもやり直しだ」とため息をついた。
 県によると、19日午前11時現在、県内の田畑は少なくとも800ヘクタールが水に漬かり、被害は今後さらに拡大する見通し。

・「農作物冠・浸水800ヘクタール 豪雨の秋田県」(2018/05/20 17:20 日本農業新聞)

同市で水稲7・5ヘクタールを生産する佐藤弘さん(63)は、同市協和地区の水田2・2ヘクタールが冠水の被害に遭った。畦畔や農道が水没し、水田の隅には流れてきた稲わらが水面10メートル以上にわたって浮かぶ。佐藤さんは「まるで沼。代かきのさなかだったが、水が引いたら稲わらを重機で取り除き、再び耕うん、代かきをしなくてはならない」と肩を落とす。
 2017年7月の秋田県豪雨による雄物川の氾濫でも被害を受けた。佐藤さんは「今年は田植え前で生育には影響ないが、何でうちの場所ばかりが被害に遭うんだ」と嘆く。

秋田県被害報:http://www.bousai-akita.jp/pages/index.html?article_id=400

報道

地元紙等

・「2年続けこんな目に 記録的大雨、一つ森で土砂崩れ【動画】」(2018/05/20 秋田魁新報)

秋田市雄和向野では午前6時ごろ、氾濫が確認された。近くの女米木地区の国道341号には川から水が上がり、一部で冠水。住民は車を高台に移動させ、あふれ続ける水を不安そうに見つめた。
「いつ水があふれるか分からず、ほとんど眠れなかった」。建設業岸喜孝さん(69)は、雄物川に面する自宅が昨年の大雨で床上浸水し、復旧までに半年以上もかかったという。「強い雨が降るたびに、浸水におびえなければいけない。よそへ転居でもしないと、安心して暮らせない」と疲労感をにじませた。

・「冠水、浸水…昨夏思い起こし募る不安 県内大雨」(2018/05/19 08:01 秋田魁新報)

秋田県内は18日、記録的な大雨に見舞われた。田植えが終わったばかりの水田が冠水。川の水位はみるみる上昇し、避難勧告は広範囲に及んだ。昨夏の大雨を思い起こし、不安な表情を浮かべる住民もいた。
 午後10時までの24時間降水量が155・5ミリと観測史上最大を記録した秋田市。避難勧告の対象となった金足片田地区では、片田公民館に10人が集まった。消防のボートで義母と避難した会社員佐藤美和子さん(57)は「無事避難することができて一安心だが、今後のことを考えると心配が尽きない」と話した。
 氾濫危険水位に達した新城川の様子を見に来た石渡知恵子さん(65)は「気付けば自宅裏の空き地まで浸水していた。15年ほど住んでいるが、ここまで川の水があふれたことはなかった」と驚いた様子だった。
 町内全域に避難勧告が発令された五城目町では、氾濫危険水位を超えた馬場目川沿いの水田が広範囲で冠水した。17日に田植えを終えたばかりという農家の男性(70)は「この時期の大雨被害は記憶にない。泥が流れ込むと、苗が駄目になってしまう」と不安そうに語った。
 町内の富津内地区公民館には最大34人が身を寄せ、テレビが伝える大雨情報に見入った。昨年7月の大雨で自宅が床上浸水したという目黒ナカ子さん(65)は「また水が上がるんじゃないかと思うと不安で仕方ない」と話した

全国紙等

・「秋田 三種町 三種川があふれる 住宅など床下浸水」(2018/05/18 19:29 NHK)

秋田県の三種町によりますと、町内を流れる三種川が増水してあふれ出し、これまでに住宅など5棟が床下まで浸水する被害が起きているということです。
三種町の下岩川地区では、地区を流れる三種川の支流が橋すれすれの高さまで増水している様子が見られました。また、増水した支流を住宅の中から不安そうに見ている住民もいました。
橋を通りかかった地区に住む女性は「急に増水して水位が上がった」と話していました

ライブログ・SNS

過去報

20180518 秋田県など東北北部での豪雨災害(第1報)
20180518 秋田県など東北北部での豪雨災害(第2報)
20180518 秋田県など東北北部での豪雨災害(第3報)

以上

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