※2018/12/25更新
インドネシア国家防災庁によると、現地時間12月22日 21時30分頃(日本時間23時30分頃)、インドネシアのスンダ海峡で津波が発生。原因は、スンダ海峡のクラカタウ火山噴火による海底の地滑りにより、津波が引き起こされた可能性を当局が言及。満月の満潮も重なり被害拡大の恐れがあるとのことです。
津波状況
確認中
被害状況
2018年12月24日現在
国名 | 死者(名) | 負傷者(名) | 行方不明者(名) | 住家被害(棟) |
---|---|---|---|---|
インドネシア | 429 | 1,485 | 145 | 882 |
Dampak tsunami di Selat Sunda yang menerjang pantai di Kab Pandeglang, Serang, Lampung Selatan, Pesawaran dan Tanggamus per 24/12/2018 pukul 10.00 WIB. Tsunami datang tiba-tiba menyebabkan masyarakat tidak memiliki waktu untuk evakuasi. Korban terus bertambah. pic.twitter.com/amS11csYlJ
— Sutopo Purwo Nugroho (@Sutopo_PN) December 24, 2018
※インドネシア国家防災庁
クラカタウ火山の噴火の様子(12/23、インドネシア国家防災庁報道官)
Erupsi Gunung Anak Krakatau yang terpantau dari pesawat Grand Caravan Susi Air pada 23/12/2018. Hampir setiap hari Gunung Anak Krakatau erupsi sejak Juni 2018. Erupsinya tidak besar. Status Waspada (level 2). Zona berbahaya di dalam radius 2 km. Jalur pelayaran di aman. pic.twitter.com/w5zkXPqdyh
— Sutopo Purwo Nugroho (@Sutopo_PN) December 24, 2018
報道
・「リゾートに津波 222人死亡 噴火で海底地滑りか スンダ海峡」(じゃかるた新聞)
被害を受けたのは、首都圏などからクリスマス前の連休を過ごしに来ていた観光客や住民らで、222人(23日午後4時時点)の死亡が確認された。沿岸の民家556棟、ホテル9棟、屋台60棟、船350隻の被害が報告されている。高級リゾート地のタンジュンルスンでは、国営電力PLNのイベント会場を津波が襲い、約300人の参加者の一部がのみ込まれた。高層ホテルやビラなどが並ぶ保養地のラブハン、チャリタ、アニェル海岸が被害に遭い、倒壊した建物の屋根に車が乗り上げるなどした。工場が集積するバンテン州チレゴン地区の津波被害は報告されていない。対岸のランプン州南ランプン県のリゾート地、カリアンダ海岸では35人が死亡、115人が負傷、民家110棟が被害を受けた。
SNS
・津波にのまれるライブ会場(ジャワ島西部バンテン州のビーチ「タンジュン・レスン」)
救助状況
災害発生から72時間が迫り、懸命の捜索・救助が続けられている。
・「インドネシア津波 死者429人に 発生72時間迫るも捜索難航」(2018/12/25 NHK)
現地では、生存率が急激に下がると言われる災害の発生から72時間が迫るなか、重機だけでなくがれきや土砂の中から行方不明者を見つけ出す救助犬や特殊なカメラも投入するなどして、懸命な捜索活動が行われています。
しかし、25日は断続的に雨が降る悪天候となっていて、行方不明者の捜索活動のほか、船舶を使った支援物資や医薬品の輸送にも支障が出ているということです。
一方、救難当局によりますと、当初の想定よりも広い範囲で津波による被害が確認されているということで、犠牲者の数はさらに増えるおそれがあると話しています。
「インドネシア津波、死者280人超 噴火継続、警戒続く」(2018/12/24 産経新聞)
被害が大きかったジャワ島西端バンテン州パンデグラン県などの沿岸では24日、重機ががれきを撤去し、兵士やボランティアが素手で行方不明者らの捜索を続けた
「救助状況」(インドネシア国家防災庁報道官)
Evakuasi korban tsunami di Selat Sunda terus dilakukan oleh tim gabungan. Jumlah korban terus bertambah. Hingga 23/12/2018 pukul 10.00 WIB tercatat 62 orang meninggal dunia, 584 orang luka & 20 orang hilang. Ratusan rumah dan bangunan rusak. Alat berat dikerahkan untuk evakuasi. pic.twitter.com/DYUbxGzPmw
— Sutopo Purwo Nugroho (@Sutopo_PN) December 23, 2018
今後の留意点
新たな噴火による津波発生に注意
・「インドネシア津波、死者420人超に 火山活動続き新たな津波の恐れも」(2018/12/25 BBC)
ヌグロホ報道官は記者会見で、アナククラカタウ島の火山噴火が続いているため、新たな津波の可能性があると話した。
「海辺での活動を控え、海岸からしばらく離れているよう、インドネシア気象気候地球物理庁が勧告している」とヌグロホ報道官は述べた。1927年にクラカタウ島の噴火で形成されたアナククラカタウ島ではここ数カ月、火山活動の活発化が観測されており、火口付近への立入禁止命令も出ていた。ヌグロホ報道官は24日、今回の津波で事前に警報が出なかった理由をツイッターに連続投稿した。ヌグロホ氏によると、インドネシアの早期警報は地震観測のため設置されたもので、地震と同様に大津波を発生させる原因になり得る海底での地滑りや火山噴火には反応しないという。
・「インドネシア津波、死者373人に 新たな津波の恐れも」(2018/12/25 CNN)
災害対策当局は、火山活動が続く限り警戒するよう住民に向けて呼びかけている。
・「Rumbling Indonesia volcano could trigger more tsunamis, experts warn」(2018/12/24 AFP)
デマに注意
・「インドネシア津波、政府が偽情報に注意呼びかけ」(2018/12/25 日本経済新聞)
インドネシア西部のスンダ海峡で22日に発生した津波で、インドネシア政府がデマ対策に躍起になっている。国家警察や通信情報省は25日までに国民に偽情報への注意を呼びかけた。被災地などで偽情報が拡散すれば、被災者支援の妨げになるだけでなく、治安への脅威にもなりかねないと警戒を強めている。
被災地では「2度目の津波が来る」「夜に津波が押し寄せる」など根拠のない情報が拡散。23日には一時、被災者救助にあたっていた国軍や国家警察の隊員の一部が避難する騒ぎも起きた。通信・情報省は23日、交流サイト(SNS)などで出回る「噴火2時間前に予知できる装置が存在する」「年末に大災害が起こる」といった情報は虚偽であると発表した。
報道
・「インドネシアで津波 43人死亡 500人以上けが 火山活動原因か」(2018/12/23 11:16 NHK)
・「インドネシアで津波 少なくとも43人死亡 2人不明」( 2018/12/23 10:14 テレビ朝日)
過去の災害
クラカタウ火山の1883年噴火と津波
「図20.9 クラカタウ火山の1883年噴火」(防災科学技術研究所 自然災害情報室)
1883年の大噴火により海底に大きな陥没カルデラが形成され,これによって生じた最大35mの高さの津波により,約3.5万人の死者をだしました.