※2019年5月10日16時30分現在
地震諸元
地震諸元(気象庁) | |
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発生時間(JST) | 2019/05/10 08:48 |
震源地 | 日向灘 |
緯度(北緯、度) | 31.8°N |
経度(東経、度) | 132.1°E |
規模(マグニチュード) | 6.3 |
深さ(km) | 25(速報値より更新) |
震度(5弱) | 宮崎県宮崎市、宮崎県都城市 |
※面的推計震度分布図等(J-RISQ地震速報 防災科学技術研究所)
気象庁の記者会見
・「令和元年5月10日08時48分頃の日向灘の地震について」(2019/05/10 気象庁)
・防災上の留意事項
この地震により、宮崎県とその周辺の沿岸では若干の海面変動があるかもしれませんが、津波による被害の心配はありません。
揺れの強かった地域では、落石や崖崩れなどが起こりやすくなっている可能性がありますので、今後の地震活動に注意してください。
過去の事例では、大地震発生後に同程度の地震が発生した割合は1~2割あることから、揺れの強かった地域では、地震発生から1週間程度、最大震度5弱程度の地震に注意してください。特に今後2~3日程度は、規模の大きな地震が発生することが多くあります。
専門家の見解
「専門家「過去に繰り返しM7級」」(2019/05/10 10:52 NHK)
京都大学防災研究所宮崎観測所の山下裕亮助教:「震源の深さや地震のメカニズムからいって、陸側のプレートと、その下に沈み込むフィリピン海プレートとの境界で起きた地震とみられる」と指摘しています。
そのうえで、「今回の地震の震源の周辺では1931年、1961年、1996年とおよそ30年に1度の間隔でマグニチュード7クラスの地震が繰り返し発生していて、より規模の大きな地震にも注意が必要だ。1996年には事前に地震活動が活発になっていたので、今後の地震活動を注意深く監視する必要がある」
「専門家「プレートどうしの境界で起きた可能性」」(2019/05/10 09:29 NHK)
名古屋大学大学院の山岡耕春教授:「日向灘は海側のプレートと呼ばれる岩盤が陸側のプレートの下に沈み込んでいる場所で、今回の地震はメカニズムなどからみてこれらのプレートどうしの境界で起きたとみられる。日向灘はマグニチュード7クラスの比較的規模の大きな地震が20年から30年程度の間隔で繰り返し発生する地域だが最近は起きておらず、今後、今回の地震よりもやや大きな地震が起きることも想定して、家具の固定や津波からの避難場所の確認など揺れや津波に対する備えをあらためて確認してほしい」
過去の地震
・「日向灘 過去に大地震繰り返す」(2019/05/10 12:20 NHK)
今回の震源の日向灘は、国が想定している南海トラフ巨大地震の震源域の西の端にあり、過去、マグニチュード7クラスの大地震が繰り返し発生しています。
気象庁などによりますと、その多くは陸側のプレートと海側のプレートの境界で発生していて、昭和43年(1968年)にはマグニチュード7.5の地震が発生し、四国で最大3メートルを超える津波が観測されました。
また、昭和59年(1984年)にはマグニチュード7.1の地震が、平成8年(1996年)にはマグニチュード6.9の地震がそれぞれ発生しています。
ことしに入ってからも日向灘では繰り返し地震が起きていて、3月27日にはマグニチュード5.4の地震で、宮崎県で最大震度4の揺れが観測されていました。
被害状況
2019/05/10 12:30現在、宮崎県、総務省消防庁、NHK等報道より
「5月10日に発生した日向灘を震源とする地震の被害状況」(宮崎県)
人的被害
軽傷:2名
・40代女性:鹿児島県霧島市(震度4)、地震に驚いて過呼吸になり病院に搬送
・79歳男性:大分県大分市(震度3)、庭木の枝切り中に地震に遭い、高さ2.5メートルの脚立から落ち病院に搬送。頭を数針縫うけが。
大きく揺れたので、とっさに木の枝をつかんだが、そのまま倒れて頭の後ろを庭の石にぶつけた。最初は何が起きたか分からなかったが、妻の“地震だ”という叫びで地震ときづいた
※「宮崎県で震度5弱 鹿児島 大分で計2人けが」(2019/05/10 11:59 NHK)より
家屋被害
被害報告なし
その他の建物被害
・ガラス破損
宮崎市:青島亜熱帯植物園の温室のガラス破損(1枚)
※「宮崎県で震度5弱 鹿児島 大分で計2人けが」(2019/05/10 11:59 NHK)より
インフラ
水道
断水:
・宮崎市吉村町:最大20世帯が一時断水(配水管が破裂[1か所]による修理のため)、5月10日中には復旧見込み(NHK)
電気
停電:
・宮崎県えびの市(震度3):約150戸(2019/05/10 10:00現在、宮崎県)→10:30過ぎに解消
・鹿児島県湧水町(震度4)→10:30過ぎに解消
道路
道路点検に伴う速度規制(制限速度50キロ)
・宮崎自動車道:えびのジャンクション―宮崎インターチェンジ(上下線)
・東九州自動車道:日向インターチェンジー清武ジャンクション(上下線)
報道
「震度5弱 宮崎市役所「今のところ被害の情報なし」」(2019/05/10 09:07 NHK)
宮崎市役所危機管理課の担当者は「最初に強い縦揺れがあり、朝に起きた震度3の揺れよりも大きい地震だとすぐに感じた。机の上に積み上げている書類などが崩れることはあったが、棚など大きなものが倒れることはなかった。情報収集を行っているが、今のところ被害の情報は入ってきていない」
行政の対応
政府
・08:50 総理大臣官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置
・西村官房副長官が会見
・「午前9時50分現在、人的被害の情報は入っておらず、川内原発をはじめ、伊方原発、玄海原発の各原子力発電所について異常なしとの報告を受けている。宮崎県えびの市でおよそ150戸が停電しているが、断水は発生していない。空港はいずれも異常なく、鉄道はJR九州の在来線の一部区間で徐行運転を行っているものの運転見合わせはなく、高速道路の通行止めもない」
・「政府は地震発生後、直ちに官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置し、事態の把握に努めるなど対応に万全を期している。自衛隊がヘリコプターを離陸させるとともに、自治体に連絡員を派遣して情報収集に当たっているが、現時点で特段の被害は確認されていない」
・「被災地の皆さんにおかれては自治体などからの避難情報のほか、テレビやラジオなどの情報にも注意していただき、落ち着いて行動してもらいたい」(NHK)
学校の対応
報道
・「震度5弱 宮崎の小学校 防災バッグ携帯し授業 警戒続ける」(2019/05/10 13:49 NHK)
『(宮崎市内海小学校)10日は地震発生を受けて全校児童15人をすぐに運動場に避難させ、津波の心配がないことを確認したうえで子どもたちを教室に戻したということです。
再び地震が起きて津波が発生する場合に備えて、子どもたちは防災ずきんや非常食などを入れた防災バッグを常に携帯して授業を受けています。
4年生の男子児童は「教室に置いてあるものがバタバタと揺れて怖かった。ふだんから訓練をしているので冷静に避難することができました」と話していました』
報道
・「気象庁、緊急記者会見に手話通訳導入 10日の九州南部の地震で初めて」(2019/05/10 12:03 毎日新聞)
気象庁の記者会見室で午前10時40分から、中村雅基・地震津波監視課長が会見。その隣に通訳者の男性が立ち、会見内容を手話で伝えた。
気象庁では、国内で震度5弱以上の地震が発生▽気象庁が気象に関する特別警報、大津波警報・津波警報・津波注意報を発表▽台風接近や大雨で災害発生が予想される場合――などに緊急記者会見を開く。午前9時~午後6時に会見を開催した時に手話通訳者を同席させる。
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